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2007-03-09

[]つっこみ力(11) つっこみ力(11) - モジモジ君の読書記録。みたいな。 を含むブックマーク

つっこみ力 (ちくま新書 645)

つっこみ力 (ちくま新書 645)

 つっこみ力の三要素、「おもしろさ」について。「破壊するのではなく、付加価値をつける」という点は同意。素人談義は語法がおかしかったり論理に飛躍があったり端的に誤解だったり、まぁ、いろいろ問題が多いのは確かだけれども、そういう発言が言わんとするところを引き取って、「専門的に正しい言葉遣いに翻訳する」というのは本来専門家の仕事のはずだ。分かりやすく言えば、患者の訴えとデータの齟齬を見て真剣に悩む医者と「あなた本当に気分悪いの?」と言い放つ医者の違いに似ている。対象べったりではいけない、なんてのは誰でも言うことだ。それでもべったりではない対象への寄り添い方というのを模索するのが仕事だろうに、とよく思う。ただ、これを「おもしろさ」と表現するのは誤解を招くと思うな。お笑い的なおもしろさと、ここで言われているおもしろさは別の物だし、お笑い的なおもしろさはむしろ邪魔になることもある。学問のおもしろさってのは「視界が開けてくる」ところにあるんだと思う。「おもしろさ」という命名を除けば、つっこみ力の三要素にも、データの見方についても、大筋で同意する。

 よくない評判を聞いていたので後回しにしようかと思っていたのだが、何人かの人に薦められたので読んだ。意外とよかったね。先入見が悪かった分、評価甘かった、という面もあるのだろうけども。経済学批判のところは荒っぽい印象だけども、簡単に切り捨てられない問題もちゃんと含まれていると思う。これを拾って、何が言えるか、というところは自分の問題。★★(2007/03/09)