aullyの読書日記 このページをアンテナに追加

2007-07-25

[](030)『若き数学者アメリカ18:22

国家の品格』の筆者の藤原正彦ポスドク助教授時代に初めて足を踏み入れたアメリカでの研究生活の記録。

冒頭、自分の日本人としてのアイデンティティが周りから浮き立つように感じられ、そのいたたまれなさから無性に劣等感や、反対に攻撃的な感情なんかが沸いてきたりした様子が描かれている。

なんともその自意識過剰さがキモくてなかなか本文に気持ちが入っていかなかった。自ら「劣等感」「疎外感」とかそれが昂じての「対抗意識」を説明しようとしているのだけど、それが言い訳じみて聞こえるし。自分を落として落として書いているものの、それによってそういう後ろ暗い感情を持った自己弁護をしようとしているように見える。そんな感情を抱く時点でキモい(と思うのは私自身に海外経験がないからなのかもしれないけど)のに、それを自己弁護に走ってしまう事自体、またそれを冷静に微細にいたるまで客観化しようとしてること自体ますますキモい

考えてみたら『国家の品格』を読んだときも「この人キモい」と思ったんだったなぁ。『ボクの音楽武者修行』を読んだときに小澤 征爾の爽やかな渡欧生活に魅了されたのを思い出して買いはしたけどやめておけばよかった、と前半読みながら後悔した。

でも後半、筆者がその妙なアメリカとの相容れなさを脱却した頃から少し読みやすくなってきた。筆者の住むアパートで一緒だった子どもたちとの交流とか微笑ましかったし。後半は読めないことなかったよ。

自分の国を愛するのは美しいことだと思う。でも自分の国を愛する事が自己愛の反映である場合その答えは少し異なってくるんじゃないかと思うのよね。

本当の意味で自国を愛し、他国を愛せるようになったときに、自分の事も自衛のためだけでなく愛せるようになり、他人も愛せると思うんだ。どうかな。しらんがな。

なんかこれ読んでそんなこと思った。

若き数学者のアメリカ (新潮文庫)

若き数学者のアメリカ (新潮文庫)


<<関連書籍>>

国家の品格 (新潮新書)

国家の品格 (新潮新書)

ボクの音楽武者修行 (新潮文庫)

ボクの音楽武者修行 (新潮文庫)