aullyの読書日記 このページをアンテナに追加

2008-01-27出張時のお守り(お荷物とも言う)

[](010)『梁塵秘抄』

かなり長い事私のバッグの片隅で揺れていた本。

たまには大学時代の記憶を呼び起こすような本を読んで頭が錆びないようにしないとねーと入れておいてたんだけど、どうやら既に錆び錆びだったみたい。睡眠導入剤でしかなかった。

梁塵秘抄、という文学年表を見てても異色だなぁと思っていた作品について私が知っているのは「遊びをせんとや生まれけむ戯れせんとや生まれけむ」の歌と、これが今様集であるということと、後白河上皇というちょっと変わった人が関わって作成された歌集であるという事。大体今様がなんなのかも後白河上皇がどう変わってるのかも断片的にしか知らない。だから卒業間際に大学生協の恩恵に与れるうちに、とまとめ買いしたときの中の一冊に入れておいてたんだ。『古代人と夢』の著者だし、そう間違いはあるまいと思って。

内容は『梁塵秘抄』に収められた多くの歌の中から数首を取り上げて、それぞれを細部にわたってねちっこーく分析していく前半と、梁塵秘抄にまつわるいくつかの問題点をそれほど多くはない研究史と比較しながら新たな切り口を求めていく後半とに分かれていた。特に印象に残ってるのは後半の「遊女、傀儡子、後白河院」という章。そこでのまとめは、遊女を師として今様を学び傾倒していった後白河院という人の登場を「「賢主」から「暗主」への道ゆきは、伝統的な意味では腐敗堕落に他ならぬけれど、人としては一つの進化でありうる。」とし、「梁塵秘抄は、この後白河院の撰であることによって、撰者不詳のたんなる歌謡集であるよりは、いっそう大きな文化的射程を持つといえる。」としていて、平安貴族社会の終焉の一つの象徴としての梁塵秘抄の存在を指摘していたように解釈した。咀嚼力もからきしなくなってるから全然違うかもしれないけど。

次の本は軽い本立て続け2冊予定してるからすぐに次が書けるはず…だけどどうかな…。